第四章二話

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「そう。魔法だ。魔法使い同士の抗争で妻と娘を男は失った。  信じられるか? おとぎ話の世界の話だよ、魔法なんて。  だがそうとしか言えない有様だったのだよ、事故現場は。  ――そして男は出会った、御堂零の両親と」    紅は蹲っている零を指差す。 「彼らは実に良心的だった。妻子を失った男にも実に礼儀正しく接してくれたよ。  通常ならば記憶を消されて終わりだが、抗争に巻き込まれた男を不憫に思ったのか、それとも後々の事を考えていたのかは知らないが、男は記憶を消去されることなく彼らと交友し、事件の捜索を共にして解決するにいたった。  ……ここまで聞くと、話は大団円に終わる」    ……そう、終わらない。  でなければ、私や、御堂君達が、どうして現在こんな状況に陥っているのか、説明がつかない。 「御堂零の両親はとある研究をしていた。  魔法使いの子供の量産――マギア・チルドレンという計画を。  彼らは世界にありふれている貧困や戦争を〝魔法〟という奇蹟で解決しようとしていた。  魔法使いを増やせれば、それだけ世界に転がっている不幸を微々たる数だが減らせると、そう願っていた」
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