第四章十四話

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 それは生まれ持った宿命のように、殺人行為が斜交時雨に染みついているのではないだろうか。  そしてその疑惑は次の瞬間、彼の言葉で確信へと変わった。 「しかしあれだな。お前があいつを死の淵まで追いやったんだ。お前も俺と同類だな」 「違う! 俺は人を殺す行為なんて楽しんでない! お前と一緒にするな!!」 「違わねえよ。お前は、人殺しが好きなんだ。じゃなきゃあ、大火災を引き起こして、今の今までのうのうと生きてこれるわけがねえ。お前は自らの行いを恥じて、後悔して、惨めな場所で最後を迎えるべきだったんだよ」    だから、俺がここでお前を殺してやる。  そう言って、時雨は消失した。 「――ッ!?」    奴の姿を探そうとした刹那、紅蓮の拳が食い込んだ。  槍を彷彿させる鋭さの一突きに、零はむせる。  そして炎が零を襲った。  肺が熱い。  焼けた大気を吸い込こんだので、喉がひりひりする。  視界も定まらず、意識が熱で朦朧(もうろう)とする。
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