第四章十二話

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『愛にはそれぞれのカタチがある。それこそ十人いれば十通りの愛のカタチが。君は理解されないだろうがね』    理解出来ないし、理解したくもありません。 『ああ、そうだな。私も君を理解したいとは思わないよ』    そういうと男は容器の外にある装置のスイッチを押す。  すると急激に息苦しくなってきた。  それまで意識をかろうじてつなぎ止めていた精神の糸が、散り散りになって千切れていく。  意識の欠片がバラバラに散っていく最中、不意に男に違和感が生じた。  どこか焦っているようで、まるで意図しない〝何者か〟が現れたようで、それは如実に伝わってきた。 『零……。お前はどこまで私の悲願を邪魔しようというのだ? そこまでして御堂の血筋は私を許さないということなのか?』    零。  懐かしい響き。  私を魔法使いのパートナーと呼んでくれた人。  私の、大事な人……。 『陣と凜に代わってお前が私を裁くというのなら、よかろう……私がお前に引導を渡してやる。あの世で両親とともに過ごすがいい!!』    激昂する男は階段を飛び降りる。  姫希の意識はそこで途切れた。
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