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第四章十三話
「紅蒼時! お前の野望もそこまでだ!!」
零が全力で祭壇のある部屋に駆けつけると、理事長は何かのスイッチを押した後だった。
姫希はフラスコ型の青白い奇妙な液体で満たされている容器の中に浮いていた。
夥しい量の配線は血管のようで、心臓である容器に接続されている。
姫希の意識は既にないようで、僅かに苦しげに眉が寄っていた。
「零……。お前はどこまで私の悲願を邪魔しようというのだ? そこまでして御堂の血筋は私を許さないということなのか?」
「血筋なんて関係ない! アンタは姫希を傷つけた! そしてこの常盤市を再び大火災に見舞おうとしてる! 僕は、それを見過ごせないだけだ!」
「陣と凜に代わってお前が私を裁くというのなら、よかろう……逆に私がお前に引導を渡してやる! あの世で両親とともに過ごすがいい!!」
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