第四章十三話

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 壇上から紅蒼時は飛び降りる。  常人ならば骨折などではすまない高所から飛び降りても、現在の彼には関係ないようだ。  もはや彼は一般人の枠におさまり切らない。  零はクロを肩から降ろし、危ないからどこかへ行くように指示する。    対面する蒼時に、零は問いかけた。 「それが魔法使いの子供計画――マギア・チルドレンの成果ですか?」 「違う。この力は私の崇高な研究の一端にすぎん」    蒼時がスーツを剥ぐと、彼の胸に円形の機械があった。    なんだあれは、と零が注視した直後、理事長が消失する。 「この力はこぼれ落ちた能力」    零の背後から声が聞こえ、背部に拳を打ち込まれる――ねじ切れそうな衝撃が零を襲った。 「私はこの力を〝ザ・ゴッド〟と名づけた。神に等しい力を手に入れた私に相応しい名前だと思わないか?」 「神様気取りか……紅蒼時ッ!」    顔面に容赦のない一撃がくる。  二撃、三撃、四撃……数え切れない乱打を蒼時は打ち込んでくる。
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