第十三部隊

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「クオリス・クォーツ、アリス・サイス、今日から第十三部隊に配属になりましたっ!よろしくお願いします」  クオリスが建物全体に響くような大きさの声で挨拶をする。しかし、やはりと言えばいいのか、人の気配をまったくと言っていいほど感じられない。 「へーお前らが新米か」  突如二人の後方から聞こえた声。クオリスは振り返ると同時にロングソードを引き抜き、声の主であろう人物がいるであろう場所にロングソードを振りぬく。アリスは二丁の魔法銃を一瞬で構え、いつでも放てるようにトリガーに指をかける。 「あぶねっ!いきなりご挨拶だな……」  その人物は、のど元に向かってきていたクオリスからの一撃を指で押さえて防いでいた。背はひょろっと高く、髪の毛を短めに切りそろえている。 「うーん、二人ともなかなかだな、ただ、もう少し気配に気をつけないと殺されちゃうぞ」 「……どちらさまですか」  警戒をとかずにクオリスは問いかけた。まるでその反応に慣れているかのように男は頭をかきながら口を開く。 「グレン・ディル。お前らの隊長になるな、よろしく」  二人は顔を見合わせると、あわてながら武器を下ろし頭を下げる。 「隊長とはわからず、大変申し訳ありませんでした!」 「申し訳ありませんでした!」 「あー、いいんだよ、あれくらい反応してもらえないと逆に困る」  グレンと名乗った男はおかしそうに笑いながら二人の肩に手を回し、歩き始めた。 「あの、どこに向かっておられるんですか」 「クオリスつったか、新しい職場にきたらやることなんてひとつだろ」 「は、はあ」 「先輩たちに挨拶だ」  いたずらでも思いついたような笑みを浮かべながらグレンは楽しそうに二人を連れて歩を進めた。五メートルほどの長さの廊下、途中上へと続く階段が存在したが、グレンはそちらには目もくれず、直線状に存在する扉を目指す。
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