第十三部隊

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「新人連れてきたぞ-!!」  扉を開け放ちながら、グレンはよく通るであろう声で告げた。室内はそう広くはなく、長テーブルに三人の人影が見えた。一人は女性で、残り二人が男性。女性の姿が見えたときひそかにアリスは胸をなでおろす。 「ほれ、二人とも」 「は、はいっ!本日より配属になりました!クオリス・クォーツです!」 「同じく本日より配属になりました、アリス・サイスです。よろしくお願いします。」  二人そろって頭を下げる。顔をあげたときパチパチとひとつの拍手の音が聞こえた。 「新しい子達は元気がありそうね、わたしはアル・カシカ。そこのろくでなしのパートナーよ」 「ろくでなしはひどくない?ねえ?ひどくない?」  ニコニコと笑みを浮かべながらアルと名乗った女性は手を差し出す。順にその握手に応える。アルはしばらくクオリスとアリスの様子を確認するように観察をする、その視線に二人は心休まる気がしなかった。 「クオリス君はあまり魔法を使わないみたいね、アリスちゃんはその逆って感じかな?クオリス君のフォローに回った結果かしらね」 「なんでそこまでわかるんですか?」 「うーん、女の勘かしらね」  アリスの疑問にアルはいたずらっ子のような笑みを浮かべて応える。彼女が言っていることはあたっていた。直線的であまり魔法に頼らないクオリスのフォローをしているうちに魔法の使用が増えていったのだ。そのおかげなのかはわからないが、アリスは騎士養成学園の中でもずば抜けて高い魔力の持ち主であった。 「嘘よ、わたし特異体質でね、人の魔力が見えるのアリスちゃんはグレンの次に魔力が多いわ。すごいわね」 「え!?」  アリスは自分が魔力が高いことは自覚していた。正直、配属された部隊内で一番多い自信があったのが本当のところである。 「何で驚いてこっち見るんですかねぇ……」  アリスの視線にジト目になりながら独り言をこぼす。
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