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外ではすでにディオが仁王立ちだ待ち構えていた。その横には無表情の男がたたずんでいる。
「あの人って……」
「彼はクレイ、ディオの従者でありパートナーなの。難点はあまり喋らない事かしら」
アリスの質問に、アルは微笑みながら答える。後からやってきたグレンがアルの隣に来ると、それを待っていたかのようにディオが口を開く。
「勝負は二人一組でやるか?それとも二対一でやるか?もちろん二はお前らだ新人ども」
「一対一でお願いします」
「あ?舐めてんのか?」
ディオの言葉にクオリスは一対一での模擬戦を望む。その言葉はディオの琴線に触れた。
「こっちはお前らなんかよりも先に戦場に出てんだよ、黙って二対一でかかって来い、あんま舐めたこと言ってると本気で殺すぞ」
「クオリス、そうだよ、別に二対一だから卑怯なんてことにはならないんだから」
クオリスはアリスの言葉に素直に頷く。その様子に満足したのか、デディオは武器である大鎌を出現させた。黒いもやとともに現れたその大鎌は二色に染め上げられ、刃の部分が赤く、峰の部分は黒く染まっていた。
「ほれ、さっさと来いよ」
「クオリス、たぶんディオさんは闇の精霊と契約してる」
「よく観察してるな、俺が武器出した時のを見てそう判断したのか、なかなか、観察力はあるみたいだな」
ケラケラと笑いながら、アリスの言葉をほめるディオ。体の周りで大鎌をまわすと、いつでも反応できるように構える。
「さあ、来い」
「アリス、援護頼む!」
「油断しないで、たぶんいつでも魔法放てるよ」
ロングソードを引き抜くとともにクオリスは駆け出す。ニヤニヤといやな笑みを浮かべながらクオリスの攻撃を避けていくディオ。
振り下ろした一撃を大鎌の柄の部分で受け止める。
「そんなもんか?『ダークウィップ』」
ディオが大鎌から右手を離す。その右手をかざすと、そこに紫色の魔方陣が出現し、その魔方陣から黒い鞭のようなものがクオリスの腹部を襲う。
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