第十三部隊

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「どうだった?ディオ」 「まぁ、まずまずなんじゃないですか?もう少し訓練したら使い物にはなりそうですけど」 「そうね、あの二人にも早く会わせてあげたいわ」 「あいつら今どこ行るんだっけ」  グレンの質問に対して、アルは首を横に振った。それと同時に三人を包み込んでいた魔法陣がその光を失う。 「どう?ディオ」 「流石アルさんです」  先程までとは打って変わって丁寧な言葉遣いで話すディオ。彼の後ろに待機するクレイは気絶したクオリスとアリスを抱えていた。 「ありがとうクレイ、二人を部屋に運んであげてくれ」 「わかりました」  二人を抱えたクレイを見送り、ディオはグレンとアルに向き直る。 「それにしても、不思議なんだが」  グレンがふと、そんなことを言った。アルとディオはなにが不思議だったのかわからないため、グレンの言葉の続きを待つ。 「精霊って普通は武器に宿るよな」 「そうですね、武器に宿って自分達に力を貸してくれるはずですよ」 「精霊が宿った武器の強度はあがるはずだよな、どんな粗悪品でも」 「そうね、グレンはなにがいいたいの?」 「いやな?もし、仮定の話なんだけど、クオリス、武器に精霊宿ってなかったんじゃないかなっておもって」 「え、でもクオリスは普通に魔法使ってたじゃないですか、現に自分の闇をエンチャントした斬撃を……あ」 「気付いた?」  コクリと頷く。ディオの脳裏には先程の戦闘中の事が思い出されていた。大鎌を振るい、放たれた闇の斬撃をクオリスは確かに防いだ。その時、闇がクオリスのロングソードを侵食していた。 「精霊が宿っていたら……」 「侵食はない」  三人の間を、冷たい風が吹き抜けたような気がした。 「ひとまず、様子見で、二人が起きたときの為に歓迎会の準備するぞ」 「はい!」 「わかったわ」  三人はその場を後にし、第十三部隊専用兵舎の中へとその姿を消したのだった。  
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