第十三部隊

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「勝手に出てくるなよな」  クオリスは体を起こしながら、アリスの肩に乗り、のんきにあくびをする自分の契約精霊に言った。アリスの肩からクオリスの頭へと飛び移り、もうひとつあくび。 「退屈、って……おまえなあ……」  クオリスはあきれた表情で自分の頭上で目を閉じる白猫に言う。白猫の言葉はクオリスの脳内で響き、彼以外には理解できない。 「クオリス」 「ん?」 「うなされてた」 「あー、うん、気にすんな、兄上が夢に出てきただけだから」 「そう……」  それだけで理解したのか、眠たげな瞳を伏せ、キャンディの棒をつまむ。舌の上に広がる味を堪能しつつ、小さくなったキャンディに別れを告げながら、噛み、潰す。 「あ、アルさんがご飯って言ってたんだった、いこ」 「そうなのか、アリス」 「ん、なに」 「ディオさんに名前呼ばせれなくてごめん」 「いい、今度はぎゃふんって言わせる、クオリスも手伝ってね」 「もちろん」  眠たげな瞳をさらに細めながらアリスはその小さな手を差し出す。その手に自身の手をあわせて、クオリスは笑みを浮かべた。離れた手を名残惜しそうに見つめた二人は、クオリスの部屋を後にする。階段を下り、最初に入った部屋の扉を開ける。 「「「ようこそ!第十三部隊へっ!」」」  そんな言葉とともにクラッカーが鳴らされた。何が起きたのか理解できていないクオリスとアリスは、まとまらない頭で情報を手に入れようと視線をめぐらせる。 「さあ、ふたりとも、こっちに来て」  アルがやさしげな笑みを浮かべ、いまだ呆けたままのクオリスとアリスの手をつかみ、テーブルへと誘導する。テーブルの上には出来立てだろう料理が所狭しと並べられていた。  すでにグレン、ディオ、クレイの三人は席についており、二人を無理やり座らせたアルもグレンの隣に腰を下ろした。彼女が席に着き、全員が座っていることを確認したグレンが口を開く。
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