第十三部隊

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「少しばかり足りないが、あたらしい部隊の仲間の歓迎会だ今日は飲んで食って騒ぐぞ!」 「足りない?」  アリスはグレンの言葉に首をかしげた。クオリスはそんなことどうでもいいかのように視線がテーブルの上の料理を捉えて離さない。 「あと二人、仲間がいるのよ」  アルはそんなクオリスに微笑みながらアリスの疑問に答えた。 「まあ、クオリスとアリスの足元にも及ばないやつだがな」  瞳を伏せ、腕を組みながらディオが言う。クオリスとアリスはお互いに視線を合わせた後、先ほど戦った相手へと視線を注ぐ。 「先ほどはすまなかったな、歓迎するよクオリス、アリス」  柔らかな微笑を浮かべその手を差し出してくるディオ。先ほどまでとはまるで違うその柔らかな物腰に戸惑いを隠すことができない二人。そんな二人を見てディオはおかしそうに小さく笑う。 「やっぱり、違和感あるよね、でも本来の僕はこっちだから……君たちの実力を知るためには敵役が必要だったからね」 「え、あの、俺も先ほどはすいませんでした……敵役ってグレン隊長じゃだめだったんすか?」 「ふふ、クオリス君俺とやりたかったのかな?」 「クオリス走らないのか、隊長はエルドニア騎士団、五竜騎士の一人だ」 「「なっ!?」」 「ん?あがめろあがめろ」  エルドニア騎士団には六人の最高戦力と呼ばれる者たちがいる。一人はエルドニア騎士団騎士団長、その下に五人の竜を与えられし騎士、竜騎士が存在した。 「グレン隊長が」 「竜騎士……!?」 ((ちゃらんぽらんみたいなのに)) 「なんか失礼なこと考えただろ」  二人の反応を楽しんだようで、グレンはテーブルの料理へと手を伸ばす。それを合図にするかのようにクオリスとアリスの歓迎会はスタートした。最初の一口をゆっくりと口へと運ぶ。 「俺の部隊に配属されたからには、しっかり言うこと聞いてもらうからな!あと訓練はきついから覚悟しとくよーに」  クオリスとアリスの頭に両手をおきながら、二人の顔を覗き込むようにグレンは言った。二人は顔を見合わせると 「「はい!」」  笑顔で頷き、それを確認した全員が、笑顔で料理に手を伸ばした。
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