平凡顔

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おずおずとした感じで平凡顔が声をかけてきた。 何だこいつ…。 ちょっと可愛いじゃないか…。 俺は離れていった千里にまたヒソッと話しかけた。 「こいつ、俺のだから手ぇ出すなよ。」 後ろを向いて千里の顔を確認してみると真っ赤になって固まっている。 静かになったな。 このまま放置しておこう。 「んー?どーしたのぉー?」 俺は平凡顔に向き直った。 「俺、チャラ男さんが影で悪口言われてるの知ってます。噂では聞いてましたけど初めて本物を見ました。それで、俺思ったんです。可愛いなーって。」 ………やっぱり悪口言われてたのか。 『下半身ユル男』なんてアダ名が付くくらいだし。 笑えない。 じゃ、なくて! この平凡顔、俺が可愛いだって? 可愛いという単語が聞こえて現実逃避してみたけど頭の中に残ってリピートしてる。 俺の今の顔は一番マヌケな顔だろうな。
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