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「是非僕を抱いて下さいっ!」
「ちょっと!!何抜け駆けしてんのよ!いや、僕を!」
「邪魔しないでくれる!?」
俺の言葉を聞いていたのか言い寄ってくる奴等が集まってきた。
駄目だ駄目だ。
一度抱いた奴はつまらないから抱かない。
抱いた奴等ばっかりじゃないか。
「ごめんねぇー。やっぱり今日はいいやぁ…。」
そう言って廊下を歩き出す俺に後ろからは「ざんねーん…」なんて声が聞こえる。
もう抱いてやっただろうが。
一回で満足しろよ。
腹黒い俺の心の声が頭に響く。
ドンッと何かがぶつかったのか小さな衝撃が肩に走る。
ちっ、誰だよ。
「あ、すいません。」
そう言って顔をあげたのは……。
中の中の顔。
すなわち平凡顔。
「あー。だいじょーぶー?」
「はい…。大丈夫ですから。」
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