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大学が夏休みになると友人を誘うでもなく、私は一人、ある避暑地へ出掛けた。
何かに傷心していたわけでも、何かに行き詰まったわけでもない。
ただ何となく、ただふらっと一人で見知らぬ土地を旅してみたかった。
赴いた避暑地には小さいながらも歓楽街がありいろんな店が並び、夏休みという事もあってか想像以上に人でひしめき合っていた。
ここに来てまで人混みに呑まれたくはない。
そんな考えから案内所へも立ち寄らず、パンフレットも持たず歓楽街から外れた細い路地へと足を踏み入れた。
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