第2章

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漣から聞いた話は、陰湿だった。 カツアゲから始まり 漣を暴行した。 普段家に居ない蓮兄はともかく 俺は近くに居たのにそれに気づかなかった。 暴行された時は身体に痣だって出来たはずだ。 俺が求めた時、拒み続けた時があったから 恐らく一ヶ月前に暴行はされてたんだな。 漣の身体が誰かの手で犯されなかっただけマシか。 「ククッ…」 漣「!?…れ、恋兄さん?」 「!ん?どうした?」 俺としたことが…つい、本性が出てきたな。 漣「…恋兄さん、また…あの時みたいに…」 「それ以上は、踏み出しちゃいけない領域だよ。」 漣「ご、ごめんなさい…。」 それからは無言で登校した。 黄色い歓声が…やけに煩く感じた。 漣「恋兄さん、顔、怖いよ?」 「ん?」 愛想笑いでいつもみたいに騙す。 御影「おはようございます。 会長。 報告があります。」 「漣も来てね。 生徒会室に向かうよ。」 ポケットに手を突っ込み 少し早足で歩く。 漣「れ、恋兄さん待って…」 小走りの漣。 御影「失礼ですが、何を怒っているんですか?」 「俺が…怒るわけないでしょ?」 フフッ。 そう、俺はいつだって冷静なんだ。 ポーカーフェイス…ポーカーフェイス… 蓮兄が、あいつらを粛清したんだ。 もう恨みっこなしだろ? そうだ なしなんだ。
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