第1章

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-恋- 目が覚めると 蓮兄の姿はなかった。 早いな、もう、学校に行ったんだ。 俺はシャワーを浴びてから 体を拭き 制服を身につけ ネクタイを締めた。 鞄を持ち 登校する。 漣「!あ、恋兄さん!」 「ん? …おはよう。」 漣「おっ…おはようございます。」 ほんのり頬を赤くして 漣が笑う。 そんな漣に俺はキスをした。 「昨日、業務押し付けてごめんな。」 漣「やっ…とんでも、ないです。 恋兄さんのお役に立てたなら…」 「ありがとう。」 それから学校まで 話をしならがら向かい 学校に着くと… きゃー と 何時もの黄色い歓声が出迎えてくれた。 男も女も毎朝ご苦労だよね。 俺は愛想良く笑いその中を通る。 漣は毎朝の事なのに慣れないのか 畏縮しながら俺の後をついてくる。 漣「やっぱり私は、苦手です。」 下駄箱で上履きに履き替えた時 漣が渋い顔で俺に言ってきたから 「好い加減慣れたら?」 と 軽くあしらった。 校舎に入ってからは別行動をして 俺は生徒会室に向かう。 毎朝の行事。 意見箱のチェックだ。 すれ違う生徒はみんな 顔を赤らめて おはようございます と言ってくる。 愛想良く、微笑して おはよう と 返せば完璧だ。 生徒会室に入ると 庶務の三浦が本を整理していた。 「おはよう。はやいね。」 三浦「!おっおはようございます。 会長。」 身を強張らせ 顔を赤らめて返答してくれた。 部屋には三浦しかいない。 俺は意見箱の中を開けた。 生徒会室の意見箱には封書はなし。 校内にある十六個の確認も 毎朝の業務だ。 「空っぽだねぇ。 生徒会室に入ってくる度胸はないのか それとも平和なのかな。」 三浦「きっ、きっと…平和なんですよ。 会長達が頑張ってるから…」 「俺達だけじゃない。 三浦さんが支えてくれるからだよ。」 三浦「そっそんなこと…」 「フフッ。 可愛いね。」 俺は三浦の頬に手を当てた。 三浦は赤面している。 僅かに震えていて …男の経験、なさそうだな。 「なんてね。 驚いた?」 三浦「!からかわないでください…」 俺は軽く笑い 生徒会室を出た。 校舎一つに対して 意見箱は一つ。 十六校舎を回るのは いい散歩になる。 ! 「綾部、おはよう。」 綾部「!おはようございます。 会長。」 後輩の綾部 幸仁。 きちんとお辞儀をする綾部。
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