第1章

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始業ベルが鳴り出した。 俺は足早に意見箱を見て回った。 まぁ、基本空っぽなんだけどね。 ん? 十三校舎の意見箱に封書が一通、入っていた。 俺はそれを開ける。 中身を読んで それが生徒会と風紀委員会への批判であることがわかった。 風紀委員長の職権乱用。 生徒会長の淫行。 生徒会会計の女々しさ。 生徒会書記の職務放棄。 …三浦の事は批判してないな。 まぁ あの子地味だからね。 はぁ。 面倒だな。 とりあえずその封書を内ポケに入れ 後を回る事にした。 …蓮兄の職権乱用、か。 生徒の管理を全面的に任されてるから 蓮兄に逆らえない この校則のことを言っているのだとすれば 差出人は、蓮兄のことをよく知らない 新入生か。 最近入学してきた奴らは 職権乱用って考えるだろうね。 漣に関しては、女々しいってあれ性格だし、ね。 俺の淫行は、相手が望んできてるだけだから 仕方ない。 書記の職務放棄は 今に始まったことじゃないし。 ふぅ。 空っぽ。 そして 最後の十六校舎。 …空っぽ…ん? 入ってる。 千切れた紙が…。 助けて と それだけが書かれていた。 走り書きで丸っこいから 女の子かな。 俺はそれを生徒会室に持って行くことにした。
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