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あれ?
私に似てる?
そう思ってずっと見ていた、その時向こうも気が付いた。
にっこり微笑んで軽く頭を下げて挨拶してきた、私は慌てて頭を下げて挨拶した。
頭を上げたら、その人はもうそこには居なかった…
なんだったんだろう?
『 公子? どうしたの? 急に頭下げたりして? 誰に挨拶してたのよ? 』
『 えっ? 今居た女性だよ!』
『 そんな人…居た? 何処に居たの? 』
『 私の斜め前に座ってたじゃない! 』
『 斜め前って… 川の中? 』
『 ああ… 』
そうだ、 此処は川の上のカフェテリアだった…
私達は二人で川沿いのカフェテリアに来週の旅行の打ち合わせに来ていたんだ、
『 えっと… 何話してたんだっけ? ごめん… 』
『 あらあら… 旅行行く前からそんなにボケちゃっていいの? まあ…傷心旅行だから…今から落ち込んでても、亡霊を見ても構わないけどね! 』
『 やだぁ~ 亡霊だなんて… 縁起悪い~ 』
でも… 一体今のはなんだったんだろう?
千尋には見えなかった… 私にしか見えて無かったって事なんだ…
『 ねえ? 公子、本当に大丈夫? あそこって思い出の場所なんでしょ? 』
『 あぁ… 京都ね… 大丈夫よっ! 始まりもお仕舞いも同じ場所って… 締まりがいいじゃん! 』
本当は胸が苦しい位に辛い…だけど、 自分に区切りを付ける為にわざわざ京都にしたんだから… もう後戻りは出来ない。
『 なら 良いけど… あまり無理はしないでね? 』
『 あらやだ! 私は無理はしてないわよ? 長年付き合っていて、そんな事も判らない? やだやだ…幸せボケでもした? フフフ… 』
千尋は彼氏とホヤホヤなんだよね…
ちょっと…羨ましいかな?
今の私にはキズを抉られる様だ…
『 大丈夫? なんか顔色悪いよ? 』
『 大丈夫! 大丈夫! ちょっと昨日寝るの遅かったら! 』
『 じゃあ 日程はこれで良し! あとは… 当日まで健康でいるだけだね! 』
『 あらら… 私達に不健康と言う言葉は似合わないわよ? 』
と二人で大笑いした。
つづく…
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