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『男に乱暴されました…』
『……』
警察官は香の話を聞きながら何とかしてやりたいと思った。
『よく話してくれたね』
『可笑しいですよね、男が男に乱暴されたなんて』
『俺はそんなこと思わないよ…恋人が心配してるだろうから君が無事なこと知らせてあげよう』
『やめてください!…優也に会いたくない』
『俺から事情を言うから名前と携帯の番号を書いてくれる』
紙をペンを差し出した。
黙ってペンを掴み紙に書くとペンを置いた。
『落ち着くまでここにいていいから…それから俺の名前は村田健吾』
健吾は紙を持って待合室を出ていった。
その頃、優也は香を探しまわっていた。
『どこにいるんだ香…香…香…』
名を叫んだその時、携帯が鳴った。
優也は携帯を開き出た。
『もしもし!香か』
『東京警察の村田健吾といいます、香さんは警察署にいます、私が保護しました…迎えに来てあげてください』
『わかりました』
携帯を切り警察署に急いだ。
それから1時間後、東京警察署に着いた優也は中に入り婦警に村田健吾を呼んでもらった。
それから2分後、村田健吾が現れた。
『香さんの恋人の優也さんですか』
『はい…香はどこですか』
『会う前に話しておきたいことがあります』と言って村田は優也を取調室に連れていた。
ー取調室の中ー
『彼から聞いた事実を話します』
村田は優也に話始めた、香が亮に無理矢理乱暴されたことを。
話を聞きながら優也は亮への怒りを感じた。
『彼は凄く傷ついている』
『香に会わせてください』
『待合室にいるよ、2人で話して』
『はい…あ、それと何で親切にしてくれるんですか…』
取調室を出ようとした優也は村田に尋ねた。
『傷ついた人がいればそれが男性だろうが女性だろうが助ける、当たり前のことだろ』
頭を下げると村田は先に取調室を出ていった。
『優也には会えない』
香は黙って待合室を出て出口に行こうとしたその時、後ろから呼ぶ声がした。
『香!』
優也は駆け寄り香を抱き締めた。
『優也…』
『無事で良かった』
『……』
優也に抱き締められ涙がこぼれた。
『家に帰ろう』
『もう…側にいれない…俺の…』
『お前の体が汚れていようが俺には関係ない、香が好きなんだ』
離れようとする香を優也は抱き締め口づけを交わした。
唇が離れ優也は香を見つめ再び口づけを交わした。
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