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『ううう~ん…』
目を覚まし体を起こした香は裸のままベットからおり寝室を出た。
『優也…』
バスローブ姿でソファーに座って煙草を吸っている優也を香は背後から抱きついた。
『起きたか、話があるんだ先にシャワーを浴びてきて』
『わかった』
香は浴室に行った。
優也は煙草を灰皿に捨てソファーから立ち上がると寝室に行き服に着替えた。
そして優也は香のぶんの服を持って寝室を出た、そこへバスローブ姿の香が現れた。
『気に入るかどうかわからないけど』
服とズボンを差し出すと香はお礼を言って受けとりその場で着替えた。
優也はソファーに座り言うタイミングをうかがった。
『話があるって何』
香は優也のとなりに座った。
『亮が会ってお前に謝りたいって言ってるんだが』
『……』
『会いたくないなら良いんだ無理することない』
『会います、会って殴ってやる』
『香』
優也は香を抱き締めた。
ーホストクラブ閉店後の社長室ー
優也は携帯を開き亮にかけた。
『今から社長室まで来てくれるか、香が会うって言ってる』
『10分ぐらいで着く』
『わかった』
優也は携帯を切り窓際に立つと着替えを済ませた香がやって来た。
優也は振り返り香に近づいた。
『10分ぐらいで着くって』
『そう…』『大丈夫か?』
『優也…ん…』
香は優也に抱き締められ唇を塞がれた。
唇が離れ香は平気だと優也に微笑んだ。
それから10分後、亮がやって来た。
『会う気になってくれてありがとう…謝って許されるとは思わない、それだけのことを俺は君にしてしまった…すまない…』
亮は香の前で土下座をした。
『顔を上げてください』
『……』
香に言われ亮は顔を上げた。
『優也から聞きました、仕事辞めたそうですね』
『あぁ…仕事に行けば君は俺の顔を見る辛いだろ、だから辞めた』
『一発殴らせてください、それで忘れます』
『それで許してもらえるなら』
亮は立ち上がり目を閉じた。
香は握りこぶしを作り亮の頬を殴った。
亮は目を開け痛む頬をさすった。
『……』
『本当なら許せないけど、許します』
『ありがとう…社長、お世話になりました』
亮は優也に頭を下げ社長室を出ていった。
優也は黙って香を抱き締めた。
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