二度目の恋

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中学1年の時、香は初めて3年の先輩に恋をした。 香は友達に相談をした。 『相沢先輩のことが好きなんだどうしたらいいと思う…』 『相沢先輩って…もしかして』 大きな声を出し他の生徒達に見られ恥ずかしくなった香は友達の腕を掴み教室から出ていき屋上に向かった。 息を切らしながら屋上に着いた香は友達の腕を離した。 『何だよ急に…』 『お前が言おうとしたのは相沢せいな先輩だろ』 『そうだよ、相沢って言ったらせりな先輩のことだろ』 『……』 『違うのか…他に居たかなぁ…』 考え込む友達に香は口を開いた。 『俺が好きな人は相沢圭先輩だ』 『……』 『驚くよなぁ…男が男を好きだなんて』 『別に良いんじゃないのかな、恋に性別は関係ないし俺、応援するよ』 『ありがとう、優也』 香と優也は屋上でどうやって告白をするか作戦を練った。 そして3日後、香は屋上で待っていた。 『……』 緊張でそわそわしている香の前に相沢圭先輩がやって来た。 『俺に話があるって君?』 『あ…はい…』 相沢圭先輩が目の前にいることで香の心臓はさらに高鳴った。 『話って何?』 『あの……俺…先輩のことが好きなんです…俺と付き合ってください』 『……』 男の後輩に告白をされた相沢は本性を現した。 『男と付き合うなんてまじあり得ないんだけど…お前、気持ち悪いよ』 『……』 相沢の言葉に香はうつ向きながら涙を堪えた。 戻ってこない相沢を呼びに友達が現れた。 『話は終わったから行こ』 相沢は友達と共に屋上から去っていった。 『…そうだよな…』 香は座り込み涙を流した。 その様子を優也は見ていた。 『香』 それから月日は流れ香は20歳になった。 大人になった香は福岡から東京に上京した。
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