二度目の恋

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運転をしながら長沢は口を開いた。 『今日のことは優也に言わない方が良い』 『……』 香は黙ったまま外を眺めていた。 『香君…』 『長沢さん、優也には言わないでください…お願いします』 『わかった…着いたよ』 車は家の前に止まった。 『ありがとうございました』 香は車からおり家の中に入ると明かりがついた。 長沢は車を走らせ優也の店に向かった。 その頃、優也はみんなが帰ったあと1人で片付けをしていた。 『そろそろ帰るか』 『優也』 『……』 優也は振り返りドアの前で立っている長沢に驚いた。 『長沢、どうしたんだ』 『話があってきたんだ』 『俺の家で良いか』 『ここで話したい、大事な話なんだ』 『わかった、社長室に行こう』 優也と長沢は社長室に向かった。 ー社長室ー 『大事な話ってなんだ』 『香君に言わないでくれって言われてるけど…香君の苦しむ顔はみたくない』 『香?何の話だ』 『相沢圭と…』 長沢は圭から聞いた話をすべて話した。 優也は驚いた。 『それで香はホテルにいるんですか?』 『俺がさっき家に送った』 『そうか…』 『香君、怯えてた…いつものように接しろよ…それから話を俺から聞いたって…』 『わかってる、香が話す気になるまで黙ってる』 『じゃあ帰るよ』 長沢は社長室を出ていった。 優也は握りこぶしをつくりながら相沢圭と2人のホストに怒りが込み上げていた。 次の日、長沢は智也と龍二を社長室に呼んだ。 『圭から聞いたよ、お前たちがしたことを』 『……』 『お前たちが乱暴した人は俺が働いていた店の社長の恋人だ…昨日、圭から聞いて俺は優也に話した…今まで通りホストを続けたいなら許してもらえるまで謝ることだ』 『俺はホストを続けたいです、許してもらえるまで優也さんと香さんに謝り続けます』 『俺も謝り続けます』 『仕事に戻って…あ…圭が休んでるの何でかわかるか』 『わからないです』 智也と龍二は長沢に頭を下げ社長室を出ていった。 その頃、圭は香が働くホストクラブの店の前でうろうろしていた。 そこへ美幸が現れた。 『何してるの?』 『お前こそ』 『優也君が働いてるって聞いたから、圭も行こう』 『え?俺はいいよ』 圭は美幸に腕を掴まれ店の中に入った。 2人のホストが美幸と圭に近づいてきた。 『いらっしやいませ』 『優也君に会いに来たんです、いますか?』 『お待ちください、社長を呼んできます』 ホストが離れるともう1人のホストが美幸と圭に席を案内した。
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