二度目の恋

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優也はソファーに座った。 『優也、俺たち別れよ』 『冗談だろ、香…』 ソファーから立ち上がり香の両肩を掴んだ。 そして優也は『何でだ』と言って香の体を揺らした。 香は優也の手を離し口を開いた。 『傷ついた俺の心を癒し愛してくれて嬉しかった…昨日、先輩の本当の気持ちを聞いて…』 『先輩の気持ちを聞いたら俺と別れるのか、俺のこと愛してなかったんだな』 『そんなことない…俺は…』 『帰ってくれ、話したくない』 優也は香に背を向けた。 『優…也…』 『出ていってくれ話したくない』 『……』 香は合鍵を机の上に置き社長室を出ていった。 優也は合鍵を投げ捨て壁にもたれながら座り込み頭を抱えた。 香は次々と出勤してくるホストたちに挨拶をしながらドアに向かった。 『香さん、買い出しですか?俺が行きますよ』 人気ナンバーワンの博之が言った。 『みんな良いかな』 香は振り返った。 『何ですか?』 ホストたちは香に目線を向けた。 『店を辞めます、優也と店のこと頼みます』 『どうして辞めるんですか、あの女のせいですか』 『優也と別れました…悪いのは俺だ』 香は頭を下げ店を出ていった。 その後、ホストたちは元気がないまま仕事を開始した。 女性客たちは元気がないホストたちにつまらないと言って次々と店を出ていった。 様子を見に来た優也は女性客たちが次々と帰っていく光景を見てホストたちに怒鳴った。 『お前ら何をしてるんだ、お客様がつまらなそうに帰っていっただろ』 『社長、香さんと別れたって本当ですか』 みんなが聞きたいことを新人のホストが言った。 『お前たちに関係ないだろ…今日は休みにしよう…お前たち帰って良いぞ』 優也は店を出てドアノブに閉店の札をぶら下げた。 その時、圭がやって来た。 『話があってきた』 『どうぞ』 優也は圭を招き入れ社長室に向かった。 ー社長室ー 『話があるって何ですか、香のことなら…俺、香と別れないんで』 『俺を許せないのはわかるよ、香を傷つけてきたから…今は本気で好きなんだ』 『あの時、先輩が香を受け入れてくれてたら俺は諦めた…何で今ごろ…俺は別れない』 優也は圭に背を向け殴りたい気持ちを必死にこらえた。 2人の会話をドア越しで聞いていた博之と恵太は長沢の元に向かった。 『優也君…』 『帰ってください』 優也は背を向けたまま怒鳴った。 『わかった、今日は帰るよ…許してもらえるまで何度でも来るから』 圭は社長室を出ていった。
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