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博之と恵太は車に乗り込もうとしている長沢に声をかけた。
『長沢さん』
『博之、恵太、久しぶりだな』
『社長と香さんのことで相談があって』
『店で聞くよ』
長沢は鍵を開け店の明かりをつけると博之と恵太を招き入れた。
『何かあったのか?』
『香さんが言ったんです、社長と別れたってそして仕事も辞めたって』
『その後、社長は先輩って人と言い争いしてました』
『変わったな博之、香さんが来る前は威張ってたのに』
長沢は心配そうな顔をしている博之の肩に触れた。
恵太は香さんと出会ってみんなの性格が変わったと口にした。
『みんな社長と香さんに別れてほしくないんです…長沢さん』
『明日、優也と話してみるよ』
『お願いします』
博之と恵太は同時に言い頭を下げると店を出ていった。
香は圭の家に行きインターホンを鳴らした。
中から圭の声がしドアが開いた。
『香』
『行くところがないから来ました』
『どうぞ』
『お邪魔しま…』
香は圭に腕を掴まれ引き寄せられた。
そして圭はドアを閉め香をドアにもたれさせると唇にキスをした。
『ん…圭さん…』
『ベットに行こう』
圭は香の腕を掴み寝室に行くと香の唇にキスをしながらベットに仰向けで倒した。
『優也君に会いに行ったよ、そして俺の気持ちを伝えたよ、聞いてもらえなかったけど何度でも行くから』
『俺も優也に会いに行った、別れを言いに』
『大丈夫か?』
『…大…丈夫…』
目から涙を流す香を見て圭は目元にキスをし見つめ体を重ねた。
その頃、智也と龍二は飲み屋で客と喧嘩をし店の人に警察を呼ばれるとパトカーで警察署に連れていかれた。
ー警察署ー
智也と龍二と客は椅子に座って警察の人に喧嘩になった理由を聞かれた。
『智也と話をしてたら急に喧嘩を吹っ掛けてきたんだ』
『ホストは嫌いなんだ』
『何だと』
『やめなさい、家の人に来てもらうから連絡先を書いてください』
警察官は智也と龍二に紙とペンを渡した。
『社長の連絡先で良いですか?』
『良いですよ』
警察官は酔っぱらいのおじいさんを別の警察官に任せた。
紙に長沢の連絡先を書くと警察官に渡した。
『2人は来るまでここにいてください』
警察官は紙を持ってその場を離れた。
椅子に座ったまま智也と龍二はうつむきながら長沢が来るのを待った。
それから30分後、警察から連絡を受け長沢がやって来た。
『智也、龍二』
『社長…』
同時に立ち上がった智也と龍二は『すみません』と言って頭を下げた。
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