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『帰るぞ』
長沢は智也と龍二を連れて駐車所に向かった。
長沢は運転席に乗り智也と龍二は後ろの席に乗った。
『社長、俺の家に行ってください』
智也が口を開いた。
『俺も智也の家に行きます』
龍二が言った。
『わかった』
長沢は車を走らせた。
運転をしながら長沢は時々2人の様子をうかがっていた。
『2人とも元気がないな』
『……』
『圭のことか、休んでるから心配か』
『……』
『帰るとき優也の店のホストが2人来たんだ、香君と優也が別れたって』
『俺たちのせいですよね』
智也は悲しい顔をしながら長沢を見た。
『お前たちはもう問題じゃない、香君と優也の仲が崩れたのは圭が香君に気持ちを伝えたからだ』
運転をしながら長沢が言った。
それから1時間後、車は智也の家の前に止まった。
『着いたぞ』
『ありがとうございました』
智也と龍二は車からおり長沢に頭を下げ家の中に入っていった。
長沢は車を走らせ圭の家に向かった。
ー圭の家、寝室のベットー
圭と香は裸姿で寄り添い眠っていた。
『うう~ん…』
『愛してる…香…』
目を覚ましていた圭は香の寝顔を見ながら唇にキスをした。
そして香は目を覚まし圭の背中に両手をまわすと唇にキスをした。
『ん…あ…圭…』
『香』
圭と香は口づけをしながら体を重ねた。
ー夜中の1時ー
インターホンが何度も鳴り圭はベットからおりるとズボンをはき普段着を着ると玄関に行った。
そして圭はドアを開き目の前に立っている長沢に驚いた。
『社長!』
『遅くにすまない、優也のことで話があるんだ今、良いか?』
『どうぞ』
圭は寝室のドアを閉めキッチンに行った。
長沢はソファーに座り寝室に目を向けた。
『香君がいるのか』
『どうしてですか』
圭はお茶が入ったコップを長沢の前に置いた。
『靴があった、あれ香君のだろ』
コップを掴みお茶を飲むんだ。
『昨日、先輩に気持ちを伝えました』
『聞いたよ…俺はどうこう言うつもりはないが、これだけは言わしてくれ優也から香君を奪ったんだ香君を幸せにしなかったら許さない…優也のことは俺に任せて』
最後の言葉だけは香が聞いているかわからないが香に向けて言った。
『社長、俺…仕事…』
『明日は来いよ』
長沢は圭の言葉をさえぎり言うとソファーから立ち上がり玄関に行くと出ていった。
寝室のドアが開き長めの服を着た香が出てきた。
圭はソファーから立ち上がり『話し聞いてたのか』と言った。
香は頷き黙って圭に近づくと抱きつき涙を流した。
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