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圭は香の背中に両手をまわしギュッと抱き締めた。
ーホストクラブ開店前ー
圭は店の中に入り他のホストたちの注目を浴びた。
『圭』
智也と龍二は圭の腕を掴み控え室に連れていった。
『何だよ』
『社長から聞いたよ、お前とあの香って人と付き合ってるって』
『お前たちには悪いことをしたな、すまなかった』
圭は普段着からスーツに着替えながら言った。
『それは良いよ…本気なのか…』
『本気だよ…やっとニ度目にして香と結ばれたんだ、もう離さない』
真剣な顔をしながら話す圭に智也と龍二は見つめ合い頷いた。
『圭、幸せになれよ、俺たち応援してるから』
『ありがとう』
圭と智也と龍二は控え室を出て仕事を始めた。
圭はお客様と楽しくお酒を飲んでいた。
その時、優也が店にやって来た。
圭は驚き立ち上がった。
『先…輩…』
優也は圭に近づいた。
『話があるんだ、長沢に許可を取ってある』
『すみません、お客様』
圭は智也に頼み優也と共に店を出ていった。
圭と優也は近くの喫茶店に入った。
そして圭と優也は向かい合って椅子に座った。
『いらっしゃいませ』
『珈琲を』
『俺も珈琲を』
『かしこまりました』
店員が離れていった。
それから2分後、店員が現れ珈琲を圭と優也の前に置き離れていった。
『俺は…』
『香をここに呼んでくれないか、話しはそれからだ』
優也は珈琲を飲んだ。
圭は携帯を開き香にかけた。
『もしもし香、今から…』
圭は香に喫茶店の場所を伝え来るように言い電話を切った。
それから45分後、香は喫茶店の中に入り圭と優也が座っている席に近づいた。
『優也…』
『座ってくれ、2人に伝えたいことがある』
優也が言おうとしたその時、店員が近づいてきた。
優也は店員にすぐ帰るから注文しないと言い店員を離れさせた。
『香、そいつと居て幸せか?』
優也の問いに香は頷いた。
『先輩…』
圭は椅子から立ち上がり真剣な顔で優也に『香をください』と言い頭を下げた。
優也は椅子から立ち上がり『幸せにしてやってくれ』と言い圭の肩に触れた。
圭は顔をあげ驚いた顔で優也を見た。
『優也、ありがとう』
香は優也に嬉し涙を流した。
『泣くなよ、じゃあ俺行くわ』
優也は店を出ていった。
そこへ美幸が近づいてきた。
『やけ酒ぐらい付き合うわよ』
『何だよ、もしかして見てたのかよ』
『優也君のこと諦めてないから』
美幸は優也の腕を掴み歩いていった。
圭は椅子に座り香の手を握った。
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