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初めての街にキョロキョロしているとスーツ姿の男が香に近づき話しかけてきた。
『キョロキョロしていると引ったくりに合うぞ』
『すみません』
香は頭を下げ走り出した。
『おい!…』
男は走っていく香の姿を見ていると肩を叩かれた。
『何やってんだ亮、遅刻するぞ』
『別に』
亮は連れと共に仕事場のホストクラブの店に向かった。
亮から逃げてきた香はお腹も空き店を探していた。
それから1時間後、香は英語で書かれた看板を見つけ近づいた。
『何の店だろ…』
英語が読めず何の店か解らぬまま香はドアを開いた。
そして香はスーツ姿の男達に驚き言葉を失った。
『すみません』
開店前なのか客の姿はなく香は謝り店を出ようとした。
その時、男が『香!』と言って香を呼び止めた。
香は振り返り近づいてくる眼鏡をかけた男を見た。
『何で俺の名前を知ってるんですか』
『俺だよ』
眼鏡をはずした男の顔を見て香は『優也!』と言って優也に抱きついた。
そこへ買い物に出掛けていた亮が戻ってきた。
『……』
『長沢あとは頼む』
優也は香の手を掴み社長室に向かった。
社長室の前に着くと優也はドアを開け香を招き入れた。
『まさか東京で優也に会うなんて思わなかったよ』
『……』
ドアを閉め香に近づくと優也は抱き締めた。
『優也?』
香は優也に抱き締められドキドキし始めた。
『お前のことがずっと好きだった、今でも気持ちは変わらない…香、俺と付き合ってくれ』
優也は香の顔を見つめながら気持ちを伝えた。
突然の優也の告白にどうしていいかわからず香は社長室を出ていった。
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