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早歩きでドアに近づき店を出ようとする香の腕を亮が掴んだ。
『手を離してください』
頬を赤らめながらうつ向いた。
『社長と何かあったのか』
『あなたに関係ないでしょう』
亮の手を振り払うと香は店から出ていった。
空はすっかり暗くなっており香は近くの公園に行きベンチに座った。
『……あ!…鞄…』
鞄を社長室に置いてきていることに築いた香は店に戻ることを悩んだ。
その頃、優也はソファーに置いてある鞄に築き中を覗いた。
『財布と携帯…香に届けないと今ごろ困ってるだろうな』
優也は鞄を持って社長室を出ると長沢に声をかけ店を出ていった。
『香?』
公園のベンチに座っている後ろ姿の人物に優也は近づいた。
気配を感じた香はベンチから立ち上がり暗くて顔が見えない人物を見つめた。
『誰?』
『やっぱり香か』
『優也、何で』
『忘れ物だ』
優也は鞄を差し出した。
『ありがとう』
鞄を受け取ったその時、香のお腹が鳴った。
香は頬を赤らめうつ向いた。
『……』
『ご飯ごちそうするから俺の家に来いよ』
『いいよ、コンビニで弁当買うから』
『寝るところもないんだろ、俺の家に行こ』と言って優也は断る香の腕を掴んで家に向かった。
それから10分後、高級マンションの前に着いた優也は香の腕を掴んだまま中に入りエレベーターに乗り込むと5階に向かった。
5階に着きエレベーターをおりると優也は香を連れてドアの前に立ち鍵を開けると中に入った。
『何が食べたい、何でも作るよ』
『料理作るのか』
『学生の頃から作ってたよ、両親が仕事で忙しかったから』
優也はキッチンに行き料理を始めた。
料理を作る優也の姿に香はドキドキし始めた。
『まただ…』
香はソファーに座りドキドキを静めるために鞄の中から携帯を取りだし操作を始めた。
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