第9話

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「・・・・。」 「こっそり計画したのは良いけど、由莉が思う理想と違ったらって。それで、聞いたんだ。」 「聞いた・・・?あ、この前の質問って、そういうことだったのか・・・。」 「由莉のお母さんに渡した紙には、ここの住所と新居の住所を書いたんだ。」 あの頃、なかなか解けなかった謎が、今になって解けていく。 そして同時に、あの頃から私たち二人の未来を考えてくれたことに、愛しさがこみ上げた。 辰巳さんに、そっと寄り掛かり、下から顔を覗く。 目の前には、愛しい人の顔。 ゆっくりと顔が近付き、優しいキスが降り注いだ。 辰巳さんの、優しいキス。 私はこのキスがたまらなく好きだ。 ちゃんと好きという気持ちを込めてくれているから。 応えたいってって気持ちになる。
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