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こんな、幸せな気持ち、初めて。
私と同じように、辰巳さんも不安になっていたんだ。
ゆっくりと離れて、辰巳さんはそっと私の左手を握る。
そして持っていた指輪を私の左手に、優しく優しく嵌めてくれた。
左手の薬指。
そこに輝く指輪をみたら、また涙があふれた。
辰巳さんは、何も言わず抱きしめて、私が泣き止むのを待ってくれた。
甘い?時間を過ごした後、帰宅した私たち。
「いつから、あそこに住もうって決めてたの?」
「んー、由莉のお母さんに挨拶に行くときはもう決めてたよ。」
「え、そんな前から?」
「本郷の事業は、建設もやっていて。あの場所に高層マンションが建つのは知っていたんだ。」
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