図書室の眠り姫。

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真守side. (…あ…。また、いる…。) 第二図書室。 ここには滅多に人が来ない。 だけど最近、ほぼ毎日のようにこの第二図書室に通い詰めてる人がいる。 名前は…東響生(あずまひびき)。 銀色のサラサラした髪と、その近寄りがたい雰囲気が印象的の、この学校の生徒。 (…ていうか、また寝てる…。) 窓際の、一番端の席。 そこに東君は座り、静かに寝息を立て始める。 その姿が、あまりに端麗で。 カウンター席で、本を読むフリをしながらいつも彼のその姿を盗み見ている。 (…我ながら…キモイと思う…。) ははは…、と苦笑する。 …でも、惹かれてしまったのだ。 彼のその姿に。 学年もクラスも、趣味も特技もなにも知らない。 …唯一知ってるのは、名前だけ。 そんな、無知な存在の彼に。
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