13人が本棚に入れています
本棚に追加
「あゆ、むくん…?」
「…その顔は、信じてない…?」
むぅ、と年相応の子どもっぽい仕草で頬を膨らませる。
…なにをしても、かわいいと…そう感じてしまうあたり、俺も末期、だな…。
苦笑しながら、涙の線の残る…あゆむ君の頬に手のひらを当て、ツ…と、なぞるように指先で優しく触れた。
…俺の表情を伺うようにあゆむ君は首を小さく傾げ、ふふっ、と微笑んだ。
「…ほんと、だよ…?暁人さんが僕のこと好きでいてくれてるように、僕も…暁人さんが…、す…好き…、だから…。」
「あゆむ君…。」
最後らへんは本当に小声になりながら、それでも羞恥に耐え、視線をそらすことなく…精一杯の想いを飾ることなく、伝えてくれた。
真っ赤になった頬が、本当に…心から愛らしくて…。
ぎゅうっ…と、華奢で細っこいあゆむ君の体を強く…優しく、抱きしめた。
「あっ、あき…とさん…?」
…突然のことに、一瞬強ばったあゆむ君の体。
だけどすぐに委ねるようにして、体重を俺に預けてくれて。
…その重みさえ、愛おしい。
最初のコメントを投稿しよう!