第1章 ヒーローに憧れて

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その日も特に代わり映えのしない日常であり、普通に授業に出て、その最中に新たな魔法陣(機能したことない)を発明したため、アルコール中毒を理由に授業を抜け出して屋上へと走った そこで毎日教室からくすねているチョークで魔法陣制作に取り掛かろうとした ……そうだ、いつもと違ったのはここだ いつもはそのまんま書き始めるのだが、何を思ったのか今回は力を纏わせて書いたのだ そして書き始めてから20分ほど、ついに出来た だが、毎度のことながら何も起こらない こうして159回目の魔法陣制作も失敗だな、と思いながら落胆していると、急に魔法陣(もどき)が発光した 「なっ…」 その鮮やかな光に目を奪われる 視覚的な問題で 直視を避けられず、俺の目はしばらく機能停止状態に陥る それから何分が経ったかわからない とりあえず視界が戻り、目をうっすらと開く すると、そこにいたのは1人のしけたおっさんだった 「どうしたおっさん、迷子か?」 「よくきてくれた、桜田時哉よ」 「なんだ、お前俺を付け狙う悪の組織か?」 名前を知られていたことに若干の疑問を抱くが、正直どうでもいいので適当に返答する 「わしは神様じゃ」 「へー俺死んだのか………ていうかよく考えたらここどこだよ、いや天国か」 勝手に1人で疑問を抱き、勝手に納得する 俺の名前を知っていたのも神様ってんなら頷ける つーか自分で描いた魔法陣で死ぬとかアホかよ 俺が死ぬのは魔王から親友を護ってか、隕石を死力を尽くして弾き返してと決まっていたのに なんてこった、ふざけんなよな
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