第1章 ヒーローに憧れて

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与えたといっても、君たちにこの力を手に入れることができるかな?という神のイタズラ心であり、鍛錬に鍛錬を重ね、そこにさらにある一定の才能がなければ扱うどころか発現すらしない、そんな力が神力らしい 正直あくまで神が何もない生活にスパイスを加えるための、言うなれば遊びであり、発現すら不可能と思っていた 本当なんて意味のないことをするんだ、と心の中では思ったがまあそこはいい だが、発現すらしないと思っていた神力を少し目を離したすきに扱えるようになっている者がいるではないか そして思った こいつなら世界を救えるのではないか、と 直接干渉はできないが、その者を呼び出し異世界に送ることくらいはできる そう思って呼び出したらしい おいおいなんだよ あれは俺の魔法陣のおかげじゃねえのかよ 「…で、なんか質問はあるかの?」 「俺はその異世界に行ったとして、魔法ってのは使えんの?」 まず真っ先に思ったのはこのこと 神力だけでええやん、と思うかもしれないが、神すら恐れる相手なのだ 使えるものは使うべきなのではないか 「それはもちろん、使える お主がいた世界には魔法の知識を与えなかったから使えんのであって向こうの世界と人体の構造は全く同じじゃ」 ふーん、じゃあまあ向こう行ってから考えるか 「そんじゃ、送ってくれ」 「そうじゃの…では餞別として無限の魔力を……」 「いや、いいそーいうのはいらん」 「…なんじゃと?」 「チートとか萎えるし、俺はコツコツとレベル上げるのが好きなんだよね 神力はチートかもしれないけど、まあそれは俺自身が勝ち取った力ってことで」 「コツコツとしてる時間はないというのに……まあよい、せめて最低限の魔法の知識くらいはもらっとくれ」
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