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携帯をしまいながら、目に入った腕時計にもう出ないと間に合わないと焦る。
少し俯いて、繋がった手を見つめている彼女を、なぜか放っておけなくなった。
解ける手を解こうとしない恥ずかしそうなその姿が、なんだか可愛くて。
手を離そうとしたけど、もっと彼女を戸惑わせて、困らせてみたくなったんだ。
俺よりずっと小さい彼女を引き寄せた。
今夜だったら、話せるから。
今夜なら……もう少し、近付いてもいい?
見上げている彼女の揺れる瞳に、気付いたら問いかけていた。
――今夜は、俺といてくれる?
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