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予約した誠の店。個室の前で、優が人数確認を済ませ、歓迎会が始まった。
「少ししたら、上に行っとくから」
「お前、自分の部下の歓迎会だろ?」
優が怪訝な顔をするけど、俺がいたら彩星が気を遣うだけだ。
「いいんだよ。皆と話させるのが目的なんだから」
2階はソファー席が4組分。まだみんな下にいるから、のんびりできるはずだと思って、ここに来たのに。
「三浦部長みーつけたっ!今度ご飯連れてってくださいよ」
なんで田村が隣にいるんだよ。最初から絡んできてたから、上手いこと巻いてきたはずなのに。
「そんなに行きたいなら、優と行きなよ」
「えぇー?神谷さんとじゃなくて、三浦部長と行きたいんですっ!」
こういう女がいると、余計に恋愛したくなくなる。
「悪いけど、君には少しも興味ないから」
グラスを持って、席を立つ田村が俺を見下ろしている。
「諦めませんから」
はいはい、好きにしろ。煙草に火を点けて、田村が座っていた場所に靴を脱いで脚を乗せた。
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