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誠も一緒に乾杯した後、俺と彩星は、流れで2人きりになった。
カクテルを口に含んだまま顔を寄せる。俺のことをイラつかせたから、ちょっと困らせないと気が済まない。
呼吸すら忘れて、見開かれた大きな瞳はやっぱり綺麗だ。
――ねぇ、俺の一々にそんな反応するのはどうして?
行く手を阻むように現れたモヒートのグラスに、わざと音を立ててキスをした。
この子、恋愛経験あるのか?こんな不器用な反応する女の子を、俺は知らない。
「彩星、彼氏いないの?」
酒の席に腐るほど転がっている、ありがちな質問をぶつけてみる。
「い、いません。すみません」
そう言ってから、首を傾げて笑う彼女。
「あははっ、自分で言っといて笑うなって!」
ホッとしている気持ちに、俺は見て見ぬフリをした。
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