秋風

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私は冬花(ふゆか)。 大学を卒業して法律事務所で働いてる。 付き合って2年になる彼氏がいて、月に1、2回彼のアパートに泊まりにいく。 土曜日の今日も、彼に会うため電車を乗り継いで2時間かけてこの街に来た。 改札を抜けて適当な柱に背を預け、彼の電話を鳴らす。 出ない。 一度切って再度掛けなおすが出ない。 諦めて電話を切り、鞄から本を出した。 視線を落とすと同時に聞こえた足音─彼の音だ。 「ふゆ、ごめん!」 自転車の鍵を片手に彼がかけ寄ってきた。
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