夢屋敷

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俺はポケットに入っていたライターを取りだすと、 近くに散乱していた書類の山の中にスチール製の灰皿があったので、灰皿を下に敷いて燃やすことにした。 突然のことだった。いや、仮に突然でなくとも理解し難いことがおきた。 その紙から出された炎は、紙を灰にして灰皿の中に落とすのではなく、紙は決して燃えずにただ、『怨』という文字を形作った。 「えにし!わけわからんが、ここヤバいって。…っあ」 俺は、反射的に紙を床に落としてしまった。
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