学校編

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ああ、俺の自己紹介を忘れていた。名前は雨宮 結城(あまみや ゆうき)。 よく女みたいな名前って言われるが、正真正銘の男だ。男の娘じゃないし、立派なものが俺の股間についている。 ちなみに現在は高校2年の春。 それはさておき、自分で言うのもなんだかおかしいが、俺はそれなりにかっこいいほうかな。 なんだその目! 去年のバレンタインだって本命で二人も貰えたんだ!義理チョコはたくさんあったがノーカウント。 まあ、俺の容姿を語ったところで誰も得はしないから辞めとこう。 言ってて悲しくなってきた。 運動神経はすこぶるいい。サッカー、バスケ、剣道、なんでもござれ。 頭は普通。 うん、普通。悪くもないし、良くもない。 「どうしたの?結城」 彩香が心配しているかのように俺の顔を覗き込む。 少しどきりととしながらも、平然とした態度をする。 「なんでもないよ」 こんな日常が楽しくて楽しくて仕方がない。 クラスの友達と意味の無い話をするのも、ゲームやアニメのたわいもない会話も。 一生続けばいい。 このときふと思った。 そんな願いをしてしまった。それがいけないことだったのか。 俺の願いとは反して。 この日、世界が崩壊した。
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