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「おい、っざけんな!!」
噛まれた男はどうにか、殴ったり、蹴ったりして、一旦逃げることができた。
あくまで一旦だ。
血まみれの少女もふらりと立ち上がり、目をギラりとさせ動き出した。
「おい、嘘だろ。みんな見てないで助けてくれよ!」
血まみれの男に足元を掴まれた男は、そのままなすすべなく地面にへばりついた。
血まみれの男は意外にも握力が強いのか、一切離す気配がない。
足元を掴まれた男は今にも泣きそうな顔で教室から覗き込んでいる俺たちを見上げた。
「なぁ……頼むよ。助け────────」
血まみれの女と男はそいつの身体の上にまさぐり、口を近づけて、噛みちぎった。
「死者が生きた人間を食べる……そんなのまるで''ゾンビ''みたいじゃないか!!!」
誰かがそう言った途端。
みんなが我先にと、逃げるようにして教室を慌てて出て行く。
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