第1章

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 「この役立たず共が」  厭。やられキャラが役に立ったら寧ろ番組的にどうかと思うが、  「今宵は君達に僕のとっきおきの技レディファーストをお見せしよう」  次五朗は看板娘から緩やかに手を離すと、両手を優しく持つと看板娘を仰け反らせた儘、店の床の上で回転させた。 イナバウアーだ。 攻防一体の回転蹴りで周囲のお連れさんを一蹴するが、次第にその回転は失速していく。 けれど看板娘は回転を止める事無く、体をコンパクトに丸めてまだ回り続ける。 今度はドーナツスピンかよ。  流石にお連れさんも平面からの攻撃は通用しないと考えたらしい。 五人の上に四人が立ち、その上に三人、二人、一人と塔のような陣形を組んだ。 お連れさんの奥の手、人間シャンパンタワーだ。  「イー!」  一番上の一人が上空から看板娘に飛びかかる。 然し、それを見透かしたように看板娘は片足を真っ直ぐ上に伸ばして回転する。 キャンドルスピンだ。 回転するキャンドルの先端に飛び込んでしまったお連れさんは、看板娘の鋭いつま先と回転で腹部を抉られながらも自らも回転する。  「イイイイイ!」  畜生。二人の戦いぷりっみてると俺も戦いたくてウズウズしてくるよ。
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