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「そう言う事ならジョッキを用意します」
マスターは変身ジョッキをカウンターの上にスライドさせた。
勢いよくそれを掴み取ると、チェーサーの下に構え、コックを捻る。
巧く変身するにはジョッキの傾き加減と液体と泡の兼ね合いが物凄く重要だ。
泡が多すぎると肝心の液体の割合が少なくなりパワー不足になってしまう。
「相変わらず品の無い変身だ。紳士はスマートに変身しなくては」
次五朗は気障ったらしくボジョレーヌーボーの入ったマイグラスで変身する。
「変…身…ふ」
台詞もいちいち気障ったらしい。
俺もジョッキに割合よく溜まったビールを、腕を大きく回しながら口許まで持って行く。
「変……」
そして、グイッと喉元へ流し込む。
「身!」
喉元から流し込まれたビールのアルコールに反応して体内のナノ酩酊装置が覚醒する。
これにより左脳が強制的に睡眠状態になり右脳がフル稼働し、身体能力が格段に跳ね上がる。
「酔い。キターー!酩酊スウィッチ・オン! さぁ、ショータイムだ。Let's lock…Baby」
「さあ君の腕を見せて貰うよ」
ヨッパライダー・呑に変身した俺とジゴロに変身した次五朗は同時に駆け出した。
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