第1章

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 「あ、ちょいな」  今度は俺が次五朗にデコピンでカウンターを見舞う。  「ちょいな」  続いて鼻摘みでカウンターだ。  「あ、ちょちょいのちょいな!」  ズボンを下ろす。  「………」  「………」  次五朗は意外にも番組前に放送する自炊戦隊・スイハンジャーのおぱんつを履いてやがる。 然も格好付けてスイハンピンクのだよ。 この番組の裏切り者且つ女たらしが――!  「ちょいなー!」  「アウチ!」  余りにも癪だったので思い切りズボンを上に引っ張り上げる。勿論社会の窓もだ。  「呑太郎。許さん。殺してやる」  やばい。次五朗が醒めた状態から、殺意だけになった。動きに無駄がなくなり、刃物を真っ直ぐ心臓に突き立ててくる。 だが、笑い上戸のガジェットは、笑ったら笑った分だけ体が頑丈になり、ダメージを全て無力化してくれる。 流石に心臓はやばいかも知れないが……。  「さらばだ。ヨッパライダー・呑はこれで最終回だ」  厭だ。こんな終わり方、俺は認めない。 第一、予約客がまだ来店してないじゃないか。バトル前から番組終わらす気か?
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