3人が本棚に入れています
本棚に追加
ここは、魔界。
この星で太陽から1番遠い場所。
日の光は届くが、人間界や妖精界のような輝きはない。
夜の闇に包まれている方が長いのだ。
魔界でしか見られない植物や動物もいる。
毎日、薄暗かった。
長年に渡る、魔王・ヴィシオスの独裁政治が続き、自然と人々の心は暗く沈み、荒んでいく。
もう、誰も逆らおうとは思わなかった。
誰も、その魔力に打ち勝つことはできないと諦めていた。
魔界に住む人々は、魔王の配下として置かれることを望んだ。
そうすれば、少しは裕福な生活ができると思っていたからだ。
しかし、現実は甘くなかった。
ヴィシオスのもとで働く者の家族の一人は牢獄に捕えられ、裏切るような行為をすれば、共に殺されてしまうのだ。
タクルとオブスも、そんな悲劇を目の当たりにした魔族だった。
最初のコメントを投稿しよう!