第1章

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昔から、媚びることが嫌いだった…。だって、媚びるだけ媚びて、いらなくなったら、簡単に捨てられてしまうから。 私は中学一年生の文化祭で、クラスのメイド喫茶をしてた時、今の事務所の社長さんにスカウトされた。 『君、モデルやってみない?』 って。 私は軽い気持ちで、はい!って、返事をしてしまった。それからかな?急に友達がいなくなった。 最初は、私がいけないことをしてしまったんだって思って、何がいけないのかもわからないまま、ごめんなさいって謝ってみた。でも、無視された。 すぐに原因はわかった。 原因は、私が親友より、目立ってしまったから。そう、私は親友と思っていた子にいいように利用されてたの。 そしたら、周りに子たちも、いなくなった。 だって、クラスのリーダー的存在だった私の親友が、私から離れていったから。つまりは媚びだったって事。 だから、嫌い。ついでにそんな私も嫌い。 そして、高校一年生の春。あの時から三年の月日が流れていた。私は、立派な天然パ少女になっていた、って言いたいところだけれど、このヘアスタイルは、男除け&目立たないように。 毎朝早起きして、一時間もかけて、作ってるの。絶対に学校で崩れないように。私の髪質は曲がりにくいから。 そう、あの出来事は私のトラウマと化し、今では、性格まで根暗になってしまった。あ、でも、モデルはまだ続けてるの。 しかも、モデルモードに入るときには、 「おはようございます。」 私が、スタジオ入りすれば、 「あ、天音ちゃんおはよう。」 「あ、おはようございます、宮河先輩!」 いろんな人が声をかけてくれる。しかし私は、 「ん、おはよ。」 と言って素通り。根暗な私には耐えがたい行動、しかし、モデルモードだから、こういう性格になりすましてる。世にいう猫かぶり。 しかも、 「宮河先輩の髪って、ほんとにため息出るほどきれいなストレートですよね。あこがれます。」 天パが解けて、本来のストレートになってるから、絶対ばれない?学校ではメガネもかけてるし。そんな私の日常が、変わろうとしていることに私はまだ、何も気が付かなかった…。
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