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二年前に売り出し中の新人と三流雑誌の中綴じで紹介された事があった。
『女優目指して頑張ります!』
そう書かれたプロフィールとは関係のない水着姿が数枚写っていた。
その雑誌に取り上げられたからと言って、すぐに役を貰えるほど甘い世界ではなく、エキストラばかりな現状が悲しくもなる。
「一条・・・まなか?」
「なぁんだ。バレちゃったか」
「お前、俺をバカにしに来たのか?そうだろう?学校辞めて引きこもって・・・」
長々と会話をする気はサラサラなかった。
ただ、日高くんの焦点が合わなくなり落ち着かない瞳が悲しかった。
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