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「……アゥム。……十三歳」
前に出ることもせず、必要最低限のことのみを口にしたアゥムは、すぐにリューティスから目をそらした。人見知りが激しいのだろうか。
肩につく程の長さがある菫色の髪は洗ってはいてもとかしてはないようで、艶がなく絡まりあっているようだ。髪の毛の隙間から辛うじて見える瞳は、髪と同色の菫色である。弓と矢筒を背負っている。
「俺はストラ。よろしくねー! ちなみに一番下の十二歳だよ!」
最後の一人は小柄で元気のいい少年だった。山吹色の髪と褐色の瞳の持ち主だ。彼の魔力には少しばかり違和感を感じる。おそらくは獣人族混じりであろう。
少年たちの中で彼だけ分厚い籠手をしていることから、拳を使って戦うのだろうと推測できる。また、腰のベルトに短剣をさしていた。
「……リュースです。よろしくお願い致します」
一礼をしてちらりとシルウィに目を向ける。同年代の子供との会話は、どうにも苦手である。
途切れた会話にシルウィが苦笑していると、商会長の男が声を張り上げた。
「出発するぞー」
その一声で、リューティスたちは持ち場に移動した。
街の中に入る際、商人は面倒な長い手続きが必要になるが、外に出る時はそれほどではない。
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