六十八章 南へ向かって

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   街の外に出る馬車の列はできておらず、あっという間に外に出られた。  街の南に広がっていたのは、だだっ広い草原だった。一本の舗装された道が、真っ直ぐ南へと伸びている。遠く前方に馬車の姿も見えた。  殿を進みながら少年たちの姿を眺める。依頼の制限はCランク相当四人以上。Bランクは大抵Cランク三人に換算され、Cランクは大抵Dランク五人に換算される。少年たちはDランクで、シルウィはおそらくBランク。彼らだけでは戦力的にDランク一人分、依頼の制限に足りないのだ。  そこへリューティスがやって来た。依頼の制限はDランク以上であるため、Dランクより下のランクの者は依頼を受注できない。つまり、リューティスのランクは少なくともDランク以上であるため、ランクがDでもリューティスが加わった時点で依頼の制限に届くことになる。  だからこそ、リューティスはランクを問われなかったのだ。  旅は問題なく進み、まもなく太陽が南中する頃、一行は足を止めた。昼食と称して、パンが一つ、干肉とチーズが少々配られる。  商人たちが適当に地面に座り込む様子を眺めながら、木にもたれてパンに切れ込みを入れていると、少年たちとシルウィが近づいてきた。 .
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