十四章 捕らえた男

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   リューティスは衛兵に事情を説明し、衛兵が地面に残った焦げた跡から魔力を確認して男を連れて消えたあと、リューティスたちは周囲の視線から逃れるため家の中へ戻った。  途中であった食事を再開させるものの、先ほどまであった会話はなくなり沈黙が漂う。  食器同士がぶつかり合う音のみが響く中、料理に目を落としていたベインが意を決した様子で顔をあげた。 「あの!」 「……はい」  真っ直ぐな視線を向けられたリューティスは手を止める。 「たいまほうけっかいって何ですか!?」  リューティスが口早に詠唱破棄した魔法に関しての問い掛けだった。マルフェとレイガンも興味があったのか、ちらちらとこちらを窺っている。 「……無属性防御系統結界上級魔法です」 「え、えっと……防御魔法、なの?」 「はい」  細かい魔法系統分類の話は、ベインには理解できぬだろう。補助系統魔法についての説明をした時の様子から推測できる。 「魔法の侵入のみを防ぐ魔法です」  条件付けを変更すれば魔力を防ぐことも可能である。ただし魔力を防いだ場合、魔力を持つ人の出入りすら不可能になる。  また、通常の条件付けでは、魔導機や魔法具の侵入も防ぐことが可能だ。つまり、魔方陣魔法も魔法として判断されるのである。 .
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